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VOL.020
NO TITLE
2011-8-22 11:00
少しだけだけど、おめでとうという言葉に、戸惑う自分がいます。 僕の10年、応援してくれた方々との10年、 支えてくれたスタッフとの10年、 いろいろな10年が、おめでとうの言葉に吸い込まれていきます。
大げさに表すと、さようならという言葉の持つ響きに、 少しだけ戸惑うときと似ています。

僕の10年、それは出会いと別れとが出会わせてくれた10年です。 こうして歌ったり芝居をしたり、絶えず新たな自分に挑戦をしながら、 ここまでやって来ることができたことをしあわせに思えてきて、 そうかと思ったら何か寂しい気もしてくる少しだけ混乱している8月 の朝です。

心の中の複数の糸が絡まってほどけないとき、時間がそのわだかまり を解決へと導いてくれます。どしゃぶりの雨が降って、着ていた衣類 や履いていた靴も手荷物も、何もかもを脱ぎ捨てたら、笑ってはしゃ いでビショビショになって、そのあとで家までの帰り道が永く遠く思 えて憂鬱になった8月の午後です。

かげろうが見えては消えてをくり返すときは風が強くないから時間が ほんの一瞬止まったように見えます。もう二度と会えないあの人を思 い出して、あなたもきっと僕を思い出してくれているのかなと思えたら、ありが とう、そんな気持ちになって、我慢していたものが溢れでて涙が止ま らない8月の夕方です。

これが最後ではじまりのラブソング、ピアノに向かい書いていたら、 メロディーに歌がざわめき、西の彼方に上弦の月を見た、8月の深夜 です。